1の正解: ストラテジ系法務

生成AIを用いた生成物の取扱いに関して、既存の著作物の著作権者から許諾を得ることが必要となる可能性のあるものだけを、全て挙げたものはどれか。 a 好みのアーティストの楽曲に似た音楽が得られるように生成 AI を用いて楽曲を生成し、その楽曲をインターネット上にアップロードし、無料で公開した。 b 好みのアーティストの楽曲に似た音楽が得られるように生成 AI を用いて楽曲を生成し、その楽曲を自分のPC上に保管し、個人で視聴した。 c 生成 AI で音楽を生成したところ、偶然好みのアーティストの楽曲に似た音楽が生成できたので、自分のPC上に保管し、個人で視聴した。

この設問が問うていること

生成AIによって生成されたコンテンツの著作権法上の取り扱い、特に既存著作物との関連における許諾の要否について問う設問です。

a正解
選択肢の解説: 選択肢アは、シナリオaのみが著作権者の許諾が必要となる可能性を指摘しています。シナリオaはインターネット上での公開を含むため、著作権法上の公衆送信権や複製権の侵害にあたる可能性があり、許諾が必要です。したがって、この選択肢は正解です。
a, b
選択肢の解説: 選択肢イは、シナリオaとbの両方が許諾を必要とすると指摘していますが、シナリオbは個人で視聴する目的の利用であり、著作権法上の私的利用の範囲内とみなされるため許諾は不要です。したがって、この選択肢は誤りです。
a, b, c
選択肢の解説: 選択肢ウは、シナリオa、b、cの全てが許諾を必要とすると指摘していますが、シナリオbとcは私的利用のため許諾は不要です。したがって、この選択肢は誤りです。
b, c
選択肢の解説: 選択肢エは、シナリオbとcのみが許諾を必要とすると指摘していますが、これらは私的利用のため許諾は不要であり、また許諾が必要なシナリオaが含まれていないため誤りです。

総合解説

この問題は、生成AIによって作成されたコンテンツが既存の著作物に類似している場合、どのような利用形態であれば著作権者の許諾が必要となるかを問うものです。 著作権法における「私的利用」 著作権法では、個人的または家庭内その他これに準ずる限られた範囲内で使用することを目的とする複製(コピー)は、著作権者の許諾なしに行うことができると定められています(著作権法第30条)。これを「私的利用」といいます。 各シナリオの解説a: 好みのアーティストの楽曲に似た音楽を生成し、それを「インターネット上にアップロードし、無料で公開」する行為は、不特定多数の人がアクセスできる状態にするため、私的利用の範囲を超えます。これは著作権法上の「公衆送信権」や「複製権」を侵害する可能性が高く、著作権者からの許諾が必要となります。無料で公開する場合でも、著作権侵害の可能性はあります。 ・ b: 既存楽曲に似た音楽を生成し、「自分のPC上に保管し、個人で視聴」する行為は、私的利用の範囲内とみなされます。そのため、著作権者の許諾は原則として不要です。 ・ c: 偶然既存楽曲に似た音楽が生成されたとしても、「自分のPC上に保管し、個人で視聴」する行為は、bと同様に私的利用の範囲内とみなされます。したがって、著作権者の許諾は原則として不要です。 以上の理由から、著作権者の許諾が必要となる可能性があるのはシナリオaのみであり、正解はア(a)となります。

執筆・監修: 運営者 KH更新日: 2026-06-30出典: IPA公式PDF(過去問題・解答例)
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